紙とクレヨンで簡単!『いろんな動物の色と模様』発見お絵かき
はじめに
子どもたちが身の回りの世界に関心を持ち始めたとき、そこに存在する多様な要素に触れることは、豊かな感性や他者への肯定的な理解を育むきっかけとなります。今回は、子どもたちに身近な「動物」の色や模様の多様性を発見する簡単なお絵かき遊びをご紹介いたします。特別な準備は不要で、ご家庭にある紙とクレヨンがあればすぐに始められます。
この活動で育む多様性の視点
このお絵かき遊びを通して、子どもたちは動物によって体の色や模様が全く違うことを視覚的に捉えます。なぜ違うのか、その違いにはどんな意味があるのかといった疑問は、生命の多様性、そして違いを受け入れることへの興味関心を育みます。人間にも一人ひとり肌の色や髪の色、顔立ちが違うように、動物もそれぞれに固有の色や模様を持っていることを、遊びを通して自然に感じ取ることができます。
対象年齢の目安
3歳頃からお楽しみいただけます。保護者の方が動物の絵を簡単な形で描いてあげたり、図鑑を見ながら一緒に色や模様を探したりすることで、小さなお子様でも無理なく取り組むことができます。
準備する材料
- 紙 (コピー用紙、チラシの裏など、どんな紙でも構いません)
- クレヨン (なければ色鉛筆、サインペンなど、色を塗れる画材)
遊び方・作り方
この遊びは、動物の色や模様を観察し、表現することに重点を置きます。決まった作り方はありませんが、以下のようなステップで進めることができます。
- 動物を選び、形を描く: まず、今日描いてみたい動物を一つ決めます。子どもが好きな動物でも、図鑑でたまたま見つけた動物でも良いでしょう。紙の上に、その動物の基本的な形を大まかに描きます。保護者の方が描いてあげても、子ども自身が描いても構いません。例えば、ライオンなら丸い顔と体を繋げるように、シマウマなら楕円形の体を先に描くなど、シンプルな形で結構です。
- 色と模様を観察する: 描きたい動物の色や模様を、絵本や図鑑、インターネットで調べてみましょう。「ライオンはどんな色かな?」「シマウマには何がある?」などと声をかけながら、子どもと一緒に観察します。「黄色っぽいね」「黒いしましまだ!」といった発見を共有してください。
- 色と模様を描き加える: 観察した色と模様を、描いた動物の形の中にクレヨンで表現していきます。ライオンであれば茶色系のクレヨンで全体を塗りつぶしたり、シマウマであれば黒いクレヨンでしま模様を描き込んだりします。子どもが自由に色を選んだり、模様を描いたりするのを促しましょう。
- 他の動物も描いてみる: 一つの動物が完成したら、別の動物も描いてみます。ゾウの色、キリンの模様、パンダの色分けなど、違う動物を描くたびに色や模様が大きく異なることに気づくでしょう。いくつかの動物を描き並べて、見比べてみてください。
- オリジナルの動物を描いてみる(発展): 慣れてきたら、「もしキリンが水玉模様だったら?」「空色のゾウを描いてみよう!」など、子ども自身の発想で自由な色や模様の動物を描いてみるのも楽しいでしょう。現実にはいないけれど、自分だけの素敵な動物を描くことで、多様な表現があることを自然に学びます。
多様性について話してみましょう(声かけヒント)
活動中や活動後に、以下のような声かけをすることで、多様性への気づきを深めることができます。
- 「わぁ、この動物、きれいな色だね。他にどんな色の動物がいるかな?」
- 「見て!この動物にはしましまの模様があるね。こっちの動物はどんな模様かな?」
- 「どうして動物によって色や模様が違うんだろうね?住んでいる場所に関係があるのかな?」
- 「人間にも髪の色や目の色が違う人がいるみたいに、動物も色や模様が違うんだね。みんな違ってみんな素敵だね、というのと同じだね。」
- 「自分だけの特別な動物を描いてみよう!どんな色でも、どんな模様でも大丈夫だよ。あなたの考えた動物はどんなかな?」
まとめ
「いろんな動物の色と模様」発見お絵かきは、身近な存在である動物を通して、自然界に存在する多様性を手軽に感じられる遊びです。色や形の認識を深めるだけでなく、違いを面白いと感じたり、自分自身の自由な発想を表現したりする機会となります。この簡単な活動が、子どもたちが多様な他者や価値観に触れる扉を開く一助となれば幸いです。