家にあるハギレで簡単!『布の色・形・手触り』発見アート
はじめに
ご家庭にある布のハギレや使わなくなった服、余った毛糸などを活用し、子どもと一緒に手軽に取り組めるアート活動をご紹介します。布には様々な色、形、そして手触りがあります。この活動を通して、それらの「違い」に触れ、多様な素材を組み合わせる面白さを体験することができます。特別な準備はほとんど必要なく、短時間でも楽しめるため、日々の生活の中に自然と多様性について考える時間を取り入れていただけます。
活動のねらい
この『布の色・形・手触り』発見アートは、子どもたちが身近な素材である布や毛糸に触れ、その多様な性質(色、形、手触りなど)に気づくことを目的としています。それぞれの素材が持つ違いを認め、それらを自由に組み合わせて一つの作品を作り上げる過程で、多様なものが共存する面白さや、自分自身の表現の多様性を自然と感じ取れるよう促します。
対象年齢
3歳頃から保護者の方と一緒に楽しめます。ハサミを安全に使える年齢になれば、より主体的に取り組むことができるでしょう。
準備するもの
ご家庭にあるもので簡単に始められます。 * 様々な色、柄、手触りの布のハギレ(着なくなった服やタオルの切れ端などでも構いません) * 余った毛糸や紐 * 厚紙または段ボール(作品の台紙として) * のり(木工用ボンドが布や毛糸を貼り付けやすいです) * ハサミ(子どもが使う場合は子ども用ハサミ)
作り方
この活動は、布や毛糸を台紙に自由に貼り付けていくシンプルなものです。
- 素材を準備する: 集めた布のハギレを、子どもが扱いやすい大きさに切ります。一緒にハサミを使って切ることで、布の感触や切り心地の違いも体験できます。毛糸も適当な長さに切っておきます。大小様々な形に切っておくと、貼り付ける際に変化が生まれます。
- 台紙を用意する: 厚紙や段ボールを、作品の台紙として好きな形や大きさにカットします。四角形でも、丸やハートなど自由な形でも良いでしょう。
- 自由に配置する: 切った布のハギレや毛糸を、台紙の上に置いてみます。どんな風に並べたら面白いか、色々な組み合わせを試してみましょう。布の色や形、手触りの違いを比べながら、「これはふわふわだね」「こっちはツルツルだね」などと話してみてください。
- 貼り付けて完成: 配置が決まったら、のりを使って台紙に貼り付けていきます。布全体にしっかりと塗ると剥がれにくくなります。毛糸は曲線になるように貼ったり、まとめて貼ったりすることもできます。全て貼り終わったら、のりが乾くまで待ちます。
多様性テーマに関する声かけのヒント
活動を通して、子どもに多様性について伝えるための具体的な声かけをご紹介します。
- 「この布とあの布、どこが違うかな。色かな、形かな。触ってみて、手触りも違うね。」
- 「ツルツルした布、ふわふわした布、ザラザラした布。色々な手触りがあるね。人によって気持ちいいなと感じる手触りも違うんだよ。」
- 「大きいハギレと小さいハギレを隣に貼ると、面白い模様になったね。違うもの同士を一緒にしても、素敵なものができるんだね。」
- 「〇〇ちゃんが作った作品と△△君が作った作品、同じ布を使っているのに全然違うね!すごいね。作りたいものが違うことや、作り方が違うことも素敵なことなんだよ。」
- 「もし、この世の中にあるものが全部同じ色、同じ形、同じ手触りだったらどうかな。面白いかな、つまらないかな。」
- 「私たち人間も、髪の色、目の色、身長、好きな食べ物、得意なこと、みんな違うよね。みんなが違うから、この世界は面白くて豊かなんだね。」
活動のポイント
- 子どもが自由に素材を選び、配置できるように見守りましょう。大人が完成形を指示するのではなく、子どもの発想を大切にしてください。
- ハサミを使う際は、安全に注意して適切にサポートしてください。
- 完成した作品を飾り、「この部分は〇〇みたいに見えるね」「ここを貼るのが楽しかったね」など、子どもの感想を聞きながら振り返る時間を持つと、満足感につながります。
まとめ
布のハギレを使ったこの簡単なアート活動は、身近な素材を通して多様な「違い」に触れ、それらを組み合わせて新しい価値を生み出す面白さを子どもに伝える良い機会となります。準備の手軽さから、忙しい日常の中でも無理なく取り入れられる多様性教育の一つとして、ぜひご家庭でお試しいただければ幸いです。