手と光でつくる!『影のかたちの多様性』発見遊び
お子さまと一緒に、家にあるものを使って楽しく多様性について学ぶことができる「やさしい多様性ワークショップ」。今回は、身近な「手」と「光」を使って、「影のかたちの多様性」を探求する簡単な遊びをご紹介します。特別な準備は一切不要で、すぐに始められます。
『影のかたちの多様性』発見遊びとは
この遊びは、壁や紙に映った「影」を使って、形の見え方が多様であること、そして同じものでも映し方によって全く異なる形になる面白さを体験するものです。自分の手や身近なものの影を観察することで、一つの存在が多様な側面を持つことを視覚的に捉えるきっかけとなります。
この遊びで伝わる多様性テーマ
- かたちの多様性: 同じ手でも、動かし方や光の当て方で様々な形の影ができることを学びます。
- 見え方の多様性: 一つの影が、見る人によって異なるものに見える面白さを体験します。
- 個性の多様性: 自分と他のお子さま、保護者の方の手の影の違いに気づくことがあります。
- 協力: 複数人で協力して一つの大きな影を作ることで、共に何かを生み出す体験をします。
準備するもの
- 手(お子さま自身の手)
- 光を発するもの(懐中電灯、スマートフォンのライト、デスクライトなど)
- 影を映す場所(白い壁、大きな白い紙など)
遊び方(チュートリアル)
- 場所を準備する: 部屋の電気を消すか暗くし、壁や紙がよく見えるようにします。光を当てたい場所の前に立ちます。
- 光を準備する: 懐中電灯やスマートフォンのライトなどを点灯させ、壁や紙に向けて光を当てます。光の方向や距離を調整してみましょう。
- 手で影を作る: 光と壁の間に手を入れ、壁に映る影を見ます。まずは指を広げたり閉じたり、手を握ったり開いたりして、影の形が変わる様子を観察します。
- 様々な形に挑戦する:
- 片手でキツネや鳥など、定番の影絵の形を作ってみます。指の曲げ方や組み合わせで様々な形ができることを試します。
- 両手を使ったり、腕全体を使ったりして、もっと大きな影や複雑な影を作ってみます。
- 手以外の身近なもの(積み木、人形など)を光と壁の間において、その影を観察してみます。
- 一緒に影を作る: お子さまと保護者の方、または複数のお子さまで手や物を合わせて、一つの大きな影を作ってみます。影がどのように変化するかを観察します。
- 影から想像する: 壁に映った影が何に見えるか、お子さまに尋ねてみます。例えば、動物、乗り物、建物など、自由な発想で答えてもらいましょう。
多様性テーマに関する声かけヒント
- 「見てごらん、同じママ(パパ)の手なのに、動かすと影が全然違う形になるね。不思議だね。」(かたちの多様性、見え方の多様性)
- 「〇〇ちゃん(お子さまの名前)の手の影と、ママ(パパ)の手の影、比べてみると違う形になるね。大きさが違うからかな?指の長さが違うからかな?人によって形が違うのも面白いね。」(個性の多様性)
- 「この影、何に見える?△△(お子さまの答え)に見えるんだね。ママ(パパ)には□□に見えるな。一つの影でも、人によって色々なものに見えるんだね。」(見え方の多様性、考え方の多様性)
- 「一緒に手を合わせて大きな影を作ってみようか。一人で作る影と、二人で作る影は違うね。一緒にやると、もっと面白い形ができるかもしれないね。」(協力、共生)
- 「どうして光と壁の間に手を置くと影ができるのかな?手が光を遮っているんだよ。目に見えない光も、手が触れることで壁に姿(影)を現すんだね。」(科学的な視点、目に見えないものの存在)
対象年齢
3歳頃から小学校低学年頃まで
まとめ
「手と光でつくる!『影のかたちの多様性』発見遊び」は、特別な材料や準備が不要で、思い立ったらすぐに始められる手軽さが魅力です。暗闇の中で光と影が生み出すシンプルな現象は、お子さまの興味を引きつけ、集中して取り組むことができます。
この遊びを通して、お子さまは同じものでも異なる側面があること、人によって見え方や感じ方が多様であること、そして一緒に協力することで新しいものが生まれる喜びなどを、遊びながら自然に感じ取ることができるでしょう。ぜひ、お子さまと一緒に光と影の世界を探求してみてください。