やさしい多様性ワークショップ

音楽に合わせて!体の『表現の多様性』ダンス遊び

Tags: 多様性, 遊び, 体を使った遊び, 表現, 音楽

音楽に合わせて体を動かし、『表現の多様性』を感じる遊び

日々の生活の中で、私たちはさまざまな情報に触れ、多様な価値観や表現があることを知ります。子どもたちが、自分自身の体の使い方や表現方法、そして他者のそれとの違いを知り、それを肯定的に受け止める経験は、多様性を学ぶ上で貴重な一歩となります。

この度ご紹介する遊びは、音楽に合わせて体を自由に動かすというシンプルなものです。特別な準備や技術は一切必要ありません。お家にある音楽を流す環境さえあれば、すぐに取り組めます。この活動を通して、子どもたちは「同じ音楽を聴いても、人によって感じ方や体の動き方が違う」という、『表現の多様性』や『体の使い方の多様性』を自然に感じ取る機会を得るでしょう。

時間がない中でも、お子様とのコミュニケーションを深めながら、楽しみながら多様性に触れることができる遊びです。

準備するもの

遊び方:ステップ・バイ・ステップ

  1. 場所の確保: まず、お子様が安全に体を動かせる場所を確保してください。周囲にぶつかるものがないか確認します。
  2. 音楽を選ぶ: 一緒にどの音楽で遊ぶか選びます。お子様の好きな曲でも良いですし、「今日はどんな気分?」と問いかけて、気分に合いそうな音楽を選んでみるのも良いでしょう。いくつか違う雰囲気の曲を用意しておくと、後で変化を楽しめます。
  3. 音楽を再生し、自由に動くことを促す: 選んだ音楽を再生します。お子様に「この音楽を聴いて、体を動かしたくなったところに任せて、自由に動いてみてね」と声をかけます。お手本を見せる必要はありません。お子様自身の感じたままに動くことを尊重します。
  4. 大人が一緒に楽しむ: 大人も、もし可能であれば、お子様と一緒に音楽を聴き、ご自身の感覚で体を動かしてみてください。お子様の隣で、または少し離れた場所で、それぞれが音楽に合わせて動く姿は、「同じ音楽でもこんなに違う動きになるんだね」という多様性の発見につながります。競争ではなく、それぞれの動きを楽しむ姿勢が大切です。
  5. 動きを言葉にしてみる(多様性の声かけのヒント): 音楽が終わった後、または途中で、お子様の動きについて「今の音楽、〇〇ちゃんはこんな風に動きたくなったんだね」「そのジャンプ、すごく楽しそうに見えたよ」など、見たまま、感じたままを言葉にして伝えてみてください。評価ではなく、受け止め、関心を示すことが重要です。
  6. 違う音楽で試す: 曲を変えて、再度自由に体を動かしてもらいます。速い曲、ゆっくりな曲、静かな曲、賑やかな曲など、音楽の雰囲気が変わると、体の動きや出てくる表現も変わることを体験できます。「さっきの曲とは違う動きになったね」「この曲だと、ゆっくりしたくなるんだね」といった声かけで、変化に気づくよう促します。

多様性テーマに関する声かけのヒント

この遊びの中で、多様性について自然に触れるための声かけはいくつかあります。

これらの声かけは、遊びの流れの中で自然な会話として取り入れてみてください。子どもに多様性の概念を直接教え込むというよりも、「みんな違うこと、それが面白いこと」という感覚を共有することを目的とします。

対象年齢

この遊びは、音楽に合わせて体を動かすことができれば、概ね3歳頃から小学生まで楽しむことができます。年齢に応じて、動きの複雑さや、多様性に関する声かけの深さを調整することができます。

まとめ

音楽に合わせて体を自由に動かす遊びは、特別な準備なく、すぐに始められる手軽さが魅力です。この活動を通じて、子どもたちは自分自身の体と向き合い、音楽から感じるものを自分なりの方法で表現する喜びを知ります。そして、大人が一緒にそれぞれの動きを楽しむ姿を見せることで、「人それぞれ感じ方や表現の仕方が違う」という多様性を自然に感じ取り、違いを面白さとして受け止める心を育むことにつながるでしょう。

忙しい日々の中でも、少しの時間を使って、お子様と一緒に音楽に身を委ね、それぞれの『表現の多様性』を楽しんでみてはいかがでしょうか。