自分も友達も大切に。『私の好き!得意!マップ』作り
「やさしい多様性ワークショップ」をご覧いただき、ありがとうございます。
今回は、子どもたちが自分自身の「好き」や「得意」を見つめ、それを表現する工作を通して、個性の多様性や他者との違いを自然に受け入れるきっかけとなる活動をご紹介します。特別な準備は不要で、ご家庭にある身近な材料で手軽に取り組めます。
『私の好き!得意!マップ』作りとは
この工作は、子どもが自分の好きなことや得意なことを絵や言葉、または身近なものを貼るなどして表現し、一枚の紙の上に集めて「マップ」として見える化する活動です。自分自身の素晴らしい個性や才能に気づくと同時に、他の人のマップを見ることで、人それぞれの違いがあることを知り、多様性を尊重する気持ちを育むことを目指します。
この工作で伝える多様性のテーマ
- 個性の多様性: 一人ひとりが異なる「好き」や「得意」を持っていること。それがその人らしさであり、素晴らしい個性であること。
- 違いを認める: 自分と他者の「好き」「得意」は違っていて当たり前であることを知り、その違いを面白がったり、尊重したりする姿勢。
- 自己肯定感と他者理解: 自分の良いところ(得意なこと)に気づき、自信を持つこと。また、他者の良いところを見つけて認め合うこと。
準備するもの
- 大きめの紙(画用紙、コピー用紙を数枚貼り合わせたもの、段ボールの裏など)
- 描く道具(色鉛筆、クレヨン、マーカー、絵の具など)
- 貼るもの(広告の切り抜き、雑誌の写真、折り紙、布、毛糸など)
- ハサミ
- のりまたはセロハンテープ
いずれもご家庭によくあるものや、100円ショップなどで手軽に入手できるものばかりです。
作り方
- マップの土台を作る: 用意した大きめの紙を広げます。これがマップのキャンバスになります。
- 自分の場所を決める: 紙の中央あたりに、自分の顔の絵を描いたり、名前を書いたりするスペースを作ります。「ここがわたしだよ」という場所です。
- 「好き」や「得意」を考える: お子さんと一緒に「どんなことが好きかな?」「どんなことが得意かな?」とゆっくり話し合います。絵を描くのが好き、走るのが得意、ブロックで何か作るのが好き、歌を歌うのが得意、特定のキャラクターや電車が好き、など、どんな小さなことでも構いません。思いつくままにいくつか挙げてみましょう。
- マップに表現する: 考えた「好き」や「得意」を、マップの自分の周りに表現していきます。
- 絵に描く:好きなものや得意なことを絵で表現します。サッカーが得意ならサッカーボールを描く、絵を描くのが好きなら筆やパレットを描くなど。
- 言葉や字で書く:簡単な単語や短い文で書き込みます。親御さんが代筆しても良いでしょう。
- 写真を貼る:好きなキャラクターが載っている広告や、楽しかった思い出の写真などを切り抜いて貼ります。
- 身近なものを貼る:毛糸で髪の毛を表したり、布で服を表したり、折り紙をちぎって貼ったりと、自由に素材を使います。
- 飾り付けをして完成: マップ全体を見ながら、空いているスペースに色を塗ったり、模様を描き足したりして飾り付けをします。これで『私の好き!得意!マップ』の完成です。
多様性テーマに関する声かけヒント
マップが完成したら、お子さんと一緒に作ったものを見ながら、以下のような声かけをしてみましょう。
- 「〇〇ちゃん(くん)は、△△が好きなんだね。どんなところが好きなの?」と具体的に尋ね、子どもの気持ちに寄り添います。
- 「□□(得意なこと)はすごいね!どうやってできるようになったの?」と得意なことを認め、努力や過程に注目します。
- 家族それぞれが自分のマップを作ってみるのも良いでしょう。お互いのマップを見せ合いながら「パパの好きなものはこれなんだね!知らなかったよ。」「ママはこれが得意なんだね、すごいね!」などと感想を伝え合います。
- 「みんな、好きなものや得意なことが違うね。これがみんなの個性だよ。」「人によって違うから、色々なことを知ることができて面白いね。」と、違いが豊かさにつながることを伝えます。
- 「自分が得意なことで、誰かを助けてあげられる時があるかもしれないね。」と、得意なことが他者との関わりの中で活かされる可能性に触れます。
- 「〇〇ちゃんの『好き』も、『得意』も、〇〇ちゃんだけの宝物だね。とても素敵だよ。」と、子どもの個性そのものを肯定的に捉える言葉を伝えます。
まとめ
『私の好き!得意!マップ』作りは、子どもが自分自身の内面を見つめ、肯定的に捉える機会を与えてくれると同時に、他者との違いを認識し、多様性を尊重する優しい気持ちを育むための手軽で楽しい活動です。完成したマップを飾っておくと、自分らしさをいつでも確認でき、自己肯定感を高めることにも繋がります。ぜひ、お子さんと一緒に楽しみながら、それぞれの素晴らしい個性を見つけてみてください。
対象年齢: 4歳〜7歳くらい