紙とペンで簡単!いろも形もいろいろ『みんなのお弁当』作り
多様性について子どもと話すきっかけは、日々の生活の中にたくさんあります。中でも「食べ物」は、色、形、味、食感、香りなど、様々な違いに満ちています。また、好きなもの、苦手なもの、見た目の好みなど、一人ひとりの「違い」も表れやすいテーマです。
今回は、紙とペンを使って、自分だけの『お弁当』を作る簡単な工作をご紹介します。この活動を通して、見た目や味の多様性、そして「好き」も「苦手」も、それぞれの良さがあることに気づく機会となれば幸いです。準備はご家庭にあるもの、または100円ショップで手軽に揃うものばかりですので、お忙しい時間の合間にも取り組みやすい内容です。
対象年齢
3歳頃から小学校低学年向け(ハサミの使用には保護者の補助が必要な場合があります)
材料
- 白い紙、または画用紙(A4サイズ程度)
- 折り紙、または色画用紙
- ペン(色鉛筆、クレヨン、マーカーなど、お好みのもの)
- はさみ
- のり(スティックのりまたは液体のり)
- (あれば)お弁当箱に見立てる小さな箱や容器(厚紙を切って箱型に折るなどでも代用可能です)
作り方
ステップ 1:お弁当箱のベースを作る
白い紙や画用紙をお弁当箱の形に切ります。四角や丸など、自由な形にしてみましょう。厚紙がある場合は、切り込みを入れて折り曲げ、箱型に組み立てると、より立体的なお弁当箱になります。折り紙などを使う場合は、紙を半分に折るだけでもお弁当箱のように見立てることができます。
ステップ 2:おかずを描く
折り紙や色画用紙、白い紙に、お弁当に入れたい「おかず」を描きます。 * 好きな食べ物、苦手な食べ物、想像上の食べ物など、自由に考えて描いてみましょう。 * 色は様々使ってみましょう。赤、黄色、緑など、彩り豊かになるように意識すると、多様な色があることの面白さを感じられます。 * 形もいろいろにしてみましょう。丸いミートボール、長いアスパラ、ギザギザのブロッコリーなど、身の回りのおかずを参考にしながら、形の違いを楽しんで描きます。 * 絵の具があれば、指スタンプで丸い形をたくさん描いたり、筆の跡でふわふわした食感を表現したりと、様々な表現方法を試すこともできます。
ステップ 3:おかずを切り抜く
描いたおかずを、線に沿って丁寧にはさみで切り抜きます。複雑な形の場合は、保護者の方がお手伝いください。切り抜いたおかずが沢山できると、お弁当箱に詰めるのが楽しくなります。
ステップ 4:お弁当箱に詰める
切り抜いたおかずを、ステップ1で作ったお弁当箱のベースの上に並べて、のりで貼り付けます。どこに何を詰めるか、配置を考えるのも楽しい作業です。 * 色々な形、色のおかずをバランス良く詰めてみましょう。 * たくさんのおかずをぎゅっと詰めるお弁当、ゆったりと詰めるお弁当、どれも素敵な自分だけのお弁当です。
これで「みんなのお弁当」の完成です。
多様性テーマとの結びつけ・声かけヒント
この工作活動を通じて、以下のような声かけをすることで、多様性について子どもと自然に話し合うことができます。
- 見た目の多様性について:
- 「このおかず、どんな色かな?」「形はどんな形?」
- 「お弁当の中に、赤や黄色や緑の色があると、見た目がきれいだね。色々なものがあると楽しいね。」
- 「このおかずと、こっちのおかず、形が全然違うね。でも、どっちも美味しそう!」
- 味や好みの多様性について:
- 「このおかずは〇〇くん(ちゃん)の好きなものかな?それともちょっと苦手なもの?」
- 「みんな、好きな食べ物も苦手な食べ物も違うよね。でも、どれも大切な食べ物だよ。」
- 「世界中には、まだ食べたことがない、見たこともない食べ物がいっぱいあるんだよ。国によって食べるものが違うんだね。」(世界の料理に関する絵本などを参考にしながら話すと、より興味を持つかもしれません。)
- 個性の表現について:
- 「〇〇くん(ちゃん)のお弁当、どんなおかずが入っているか教えてくれる?」
- 「自分で考えたおかずを入れるの、楽しいね。自分だけのお弁当ができたね。」
- 「みんなのお弁当を見せ合ってみようか。入っているものが全部違うね!すごいね!」
まとめ
紙とペンで作る『みんなのお弁当』工作は、身近な「食」をテーマに、多様な色や形、そして好みの違いに触れることができる簡単な活動です。決まった形や色にこだわる必要はありません。子どもたちが自由に発想し、自分らしさを表現しながら、多様なものが集まることの楽しさや豊かさを感じられる機会を提供します。短時間で準備でき、後片付けも簡単な工作ですので、ぜひご家庭で取り入れてみてください。