やさしい多様性ワークショップ

身近な音の多様性を探求!耳を澄ませる『おとさがし』遊び

Tags: 音, 多様性, 遊び, 感覚遊び, おとさがし

はじめに:耳を澄ませて、新しい発見を

「やさしい多様性ワークショップ」では、ご家庭で手軽にできる遊びや工作を通して、お子さまと共に多様性について考えるきっかけをご提案しています。

今回は、特別な材料や道具は一切使わず、耳を澄ませるだけで楽しめる「おとさがし」遊びをご紹介します。この遊びは、身の回りに存在するさまざまな音の違いに気づき、感じ取ることで、感覚の多様性や環境との関わりに自然と目を向ける機会となります。短時間で取り組め、場所を選ばないため、忙しい日常の中でも気軽に取り入れていただけます。

『おとさがし』遊びで体験できる多様性

この遊びのテーマは、「音の多様性」です。同じ場所でも、時間帯によって聞こえる音が違ったり、少し耳を澄ませるだけで、普段は気づかないような小さな音がたくさん存在することに気づくことができます。

これらの違いに気づき、それぞれに耳を傾けることで、多様な存在を受け入れる感性を育むことを目指します。

対象年齢

3歳〜6歳向けを想定しています。 身の回りの音に関心を持ち始め、簡単な問いかけに答えられる年齢のお子さまと共に楽しめます。

材料

遊び方:ステップ

この遊びに決まった形はありません。お子さまの興味に合わせて、自由に進めてみてください。

ステップ1:静かにしてみましょう

まずは、お子さまと一緒に静かな時間を作ってみましょう。「しーっ、何も話さないで、じっと耳を澄ましてみようね」と優しく声をかけます。数秒間、何も話さず、聞こえてくる音に意識を集中してみます。

ステップ2:家の中の音を探してみましょう

「どんな音が聞こえる?」と問いかけ、聞こえてきた音について話してみましょう。 * 時計の針の音 * 冷蔵庫のモーター音 * エアコンや換気扇の音 * 隣の部屋からの音 * 誰かの呼吸や心臓の音(お腹に耳を当ててみるのも面白いかもしれません) * 床がきしむ音 * 遠くで聞こえる音

聞こえてきた音について、「どんな音?」「大きな音?小さな音?」「どこから聞こえる音?」など、具体的に質問してみます。

ステップ3:窓の外の音を探してみましょう

窓を開けたり、窓辺に移動したりして、今度は外の音に耳を澄ませてみましょう。 * 車の走る音 * 鳥のさえずり * 風の音 * 近所から聞こえる声や物音

家の中の音と外の音で、聞こえる音の種類や大きさがどのように違うか、話し合ってみます。

ステップ4:場所を変えて「おとさがし」をしてみましょう(発展)

もし可能であれば、散歩に出かけたり、公園やお店に行ったりして、場所を変えて音を探してみましょう。 * 公園で聞こえる音(子どもの声、遊具の音、自然の音) * スーパーで聞こえる音(BGM、カートの音、レジの音) * 駅で聞こえる音(アナウンス、電車の音、足音)

それぞれの場所には、その場所ならではの音があることを発見できます。

ステップ5:音を記録してみましょう(発展)

紙とペンがあれば、聞こえてきた音を絵や記号で描いてみるのも楽しい活動です。 * 「ガタンゴトン」という電車の音を波線で描く * 「チクタク」という時計の音を点の絵で描く * 聞こえた音の種類ごとにリストにしてみる

これは、音を視覚化する試みであり、また違った角度から音の多様性を捉えることにつながります。

多様性テーマに関する声かけヒント

『おとさがし』遊びを通して、以下のような声かけをすることで、多様性への気づきを深めることができます。

おわりに

この『おとさがし』遊びは、いつでもどこでも、特別な準備なく始められます。お子さまと共に耳を澄ませ、普段は見過ごしてしまいがちな音の世界に目を向けてみてください。様々な音が存在し、それぞれの音に意味や特徴があることを感じ取る経験は、身の回りの多様性、そして人間を含む様々な存在の違いを認め、尊重する感性を育む第一歩となるでしょう。ぜひ、お子さまと一緒に、世界に満ちている音の多様性を探検してみてください。