やさしい多様性ワークショップ

広告や包装紙で!『ファッションの多様性』着せ替え人形工作

Tags: 着せ替え人形, 工作, 多様性, ファッション, 紙遊び

やさしい多様性ワークショップでは、子どもたちが遊びや工作を通して自然に多様性を学べるヒントをご紹介しています。今回は、ご家庭にある身近な紙を使って楽しめる、紙の着せ替え人形工作です。

この工作では、様々な色や模様の紙で人形の服を作る過程を通して、ファッションの多様性や個性の表現、そして世界には様々な衣服や文化があることに自然と触れることができます。特別な材料は一切必要ありません。

工作の概要と多様性テーマ

この工作は、簡単な人形の形を作り、それに着せる服や小物を様々な紙で自由にデザインし、着せ替えて遊ぶものです。

単に服を着せ替える遊びとしてだけでなく、「どんな色の服が好き?」「この服はどんな人が着るのかな?」「世界の国ではどんな服を着ているんだろう?」といった声かけをすることで、ファッションが持つ多様な側面、すなわち個性の表現、文化や役割の違い、TPOによる変化などに子どもが気づくきっかけを作ることができます。

対象年齢

3歳頃から小学校低学年頃まで

材料

作り方・遊び方

この工作は、大きく分けて「人形本体を作る」「服を作る」「着せ替えて遊ぶ」の3つのステップで進めます。

  1. 人形本体を作る

    • 厚紙または段ボールの切れ端を用意します。これが人形の台紙となり、丈夫に仕上がります。
    • 白い紙に、着せ替えやすいシンプルな人型を描きます。手足はあまり細くしない方が、後で服を着せやすくなります。
    • 描いた人型をハサミで切り取ります。
    • 切り取った人型を厚紙または段ボールに貼り付けます。
    • 人形の顔を描き入れます。髪の毛も描いても良いでしょう。
  2. 服を作る

    • 様々な色や柄の紙を用意します。広告のカラフルな部分、包装紙の模様、新聞紙の文字など、質感が違うものを用意すると、表現の幅が広がります。
    • 人形の体に作りたい服の形に合わせて紙を置き、鉛筆などで軽く型を取ります。服は人形より一回り大きく描くのがポイントです。
    • 描いた服の形をハサミで切り取ります。この時、人形の肩や腰などに引っ掛けるための「タブ」を付けて切ると、のりやテープを使わずに着せ替えられるようになります。タブは、服の肩の部分やウエスト部分に、内側に折り返せるように数ミリ幅で長く残しておくと便利です。
    • 服の形が切れたら、ペンや色鉛筆で模様を描き入れたり、別の紙を小さく切って貼り付けたりして、自由にデザインをします。ボタン、フリル、ポケットなど、想像力を膨らませてみましょう。
    • ズボン、スカート、ワンピース、Tシャツ、コートなど、様々な種類の服を作ってみましょう。帽子や靴、バッグなどの小物も作るとより楽しくなります。
  3. 着せ替えて遊ぶ

    • 作った服を人形に着せてみましょう。タブがある場合は、タブを人形の裏側に折り返して固定します。タブがない場合は、ごく少量ののりやテープで軽く固定します。
    • 作った服を次々に着せ替えて遊びます。今日の気分に合わせたコーディネートを考えてみたり、「雨の日の服」「お出かけの服」といったテーマで服を選んでみたりするのも良いでしょう。

多様性テーマに関する声かけヒント

この着せ替え人形工作を通して、以下のような声かけをすることで、子どもと多様性について自然に話す機会を持つことができます。

まとめ

紙の着せ替え人形工作は、身近な材料で手軽に始められ、子どもが集中して取り組める創造的な活動です。単に手指を動かす工作としてだけでなく、様々な紙やデザインに触れることを通して、ファッションという切り口から多様性について考えるきっかけを提供できます。子どもが作った服について「素敵だね」「どうしてそう作ったの?」と優しく尋ねてみることから、多様性についての対話が生まれるでしょう。時間がない中でも、子どもとの大切な学びの時間を楽しんでいただければ幸いです。