何に見える?模様から広がる『見方・考え方の多様性』遊び
何に見える?模様から広がる『見方・考え方の多様性』遊び
私たちは日々の暮らしの中で、様々なものや出来事に出会います。そして、同じものを見ても、人によって感じ方や考え方が異なります。子どもたちが、そうした「見方や考え方の多様性」に触れ、それぞれの感じ方を尊重することの面白さを知ることは、多様性を学ぶ上で大切な一歩となります。
ここでは、身近な材料を使って簡単にできる遊びを通して、子どもたちが「同じものを見ても、こんなに色々な見え方があるんだ」という発見を楽しめる方法をご紹介します。特別なスキルは不要で、短い時間でも行うことができます。
この遊びで学べる多様性のテーマ
- 見方・考え方の多様性: 同じ模様を見ても、人によって連想するものや感じ方が違うことを体験します。
- 自分らしさの尊重: 自分の感じたこと、考えたことを自由に表現し、受け入れられる安心感を得ます。
- 他者理解: 友達や家族の異なる見方を聞き、新しい発見や気づきを得ます。
材料
- 白い紙(画用紙、コピー用紙など)
- 描くもの(クレヨン、色鉛筆、マーカーなど、ご家庭にあるもので構いません)
- (あれば)絵の具と筆
対象年齢の目安
3歳頃から小学校低学年頃まで
作り方・遊び方
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模様を描く
- 白い紙を用意します。
- お子さんに、「何か、決まった形じゃない、線や色をぐちゃぐちゃっと描いてみて」あるいは「好きな色で、自由な模様を描いてみよう」と声かけをします。
- 特定の形や絵にする必要はありません。線や点が重なり合ったり、色が混ざり合ったりする、自由な模様を描く時間です。絵の具を使う場合は、色を混ぜてみたり、筆の運び方を色々試してみても面白いでしょう。
- 保護者の方も一緒に描いてみることをお勧めします。
- 短時間で、サッと描くくらいで十分です。
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描いた模様を眺める
- 描いた模様を少し離れたところから眺めてみましょう。
- 紙を上下逆さまにしたり、横にしたり、向きを変えてみるのも良いでしょう。
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「何に見える?」と話し合う
- 描いた模様を指差し、「これ、何に見えるかな?」とお子さんに尋ねてみてください。
- 子どもが見つけたもの(動物、食べ物、乗り物、自然の風景など)を肯定的に受け止め、「なるほど、〇〇に見えるんだね!」と返しましょう。
- 次に、保護者の方の見え方を伝えてみてください。「お母さん(お父さん)には、△△に見えるな」のように伝えます。
- もし、他のご家族がいれば、その方の見え方も聞いてみましょう。同じ模様なのに、人によって全く違うものに見える、ということを体験します。
- 「どうしてそう見えたの?」と、見えた理由を聞いてみるのも、考え方を知る良い機会になります。
多様性テーマを深めるためのヒント・声かけ例
- 「〇〇ちゃんには、これが△△に見えるんだね。面白いね!」
- 子どもの見方、感じ方を否定せず、面白がって受け止める姿勢が大切です。「違うよ」「それは違うんじゃない?」といった否定的な言葉は避けましょう。
- 「お母さん(お父さん)には、これが◇◇に見えるんだよ。同じ模様でも、人によって違うものに見えるんだね。」
- 自分と違う見方があることを具体的に示し、「違い」そのものが自然なこと、面白いことだと伝えます。
- 「□□くんは、どうしてそう見えたのかな?教えてくれる?」
- 見え方の背景にある考え方や理由を聞くことで、物の見え方がその人の経験や記憶、感じ方と結びついていることを学ぶきっかけになります。
- 「色々な人の見方を聞いてみると、新しい発見があるね!」
- 多様な見方があることの豊かさ、面白さを伝えます。
- 「正解は一つじゃないんだよ。〇〇ちゃんが見えたものが、〇〇ちゃんの正解なんだ。」
- 自分自身の感じ方や考え方を信じて良いこと、多様性には唯一の「正解」があるわけではないことを優しく伝えます。
まとめ
この「何に見える?模様から広がる『見方・考え方の多様性』遊び」は、特別な材料や時間をかけずに、子どもたちが「見方や考え方の多様性」という、少し抽象的なテーマを感覚的に理解する手助けとなります。同じものを見ても、人によって異なる見え方があること、そしてそれぞれの見え方に価値があることを知る経験は、他者を理解し、尊重するための大切な基礎を育みます。ぜひ、親子の会話を楽しみながら、それぞれの「見えているもの」を分かち合ってみてください。